2025年の国スポでは、ボクシングは東近江(ひがしおうみ)市で実施(じっし)される予定です。
国スポ「ボクシング」とは?
両手にグローブをつけ、スピードとタイミングで打ち合い、勝敗を競う競技。国スポでは、体重別に少年男子がピン級からミドル級、成年男子がライトフライ級からライトヘビー級の全8階級、女子(成年)はフライ級のみで、トーナメント方式で行われます。
杉山迅選手インタビュー
滋賀県立能登川高校2年生で、東近江市(ひがしおうみ)出身の杉山迅(すぎやま・じん)さん(17)は、小学4年生のときに4歳上のお兄さんの影響でボクシングを始め、第45回近畿高等学校ボクシング選手権大会で3位を獲得するなど活躍を見せています。普段のトレーニングや競技にかける思いを取材しました。
ボクシングを始めたきっかけを教えてください。
杉山さん:初めてグローブをつけたときに、締めつけられる感覚が新鮮で興味がわきました。僕もやってみたいなと思ったんです。
普段はどのようなトレーニングをしているのですか?
杉山さん:下半身を強化するため、学校のグラウンドや山での走り込みも大事にしています。ボクシングの試合が1ラウンド2分×3ラウンドということを意識して、例えば「グラウンド2周を全力で3本走る」というようなメニューを組んでいます。
ボクシングの練習は具体的にはどのようなメニューなのですか?
杉山さん:架空(かくう)の対戦相手を想定して手足を動かす「シャドー」のほか、「サンドバッグ」や「パンチングミット」を使った練習をしています。そのほか、力を抜いて、相手との距離感(きょりかん)やスピードを実践(じっせん)的に練習する「マスボクシング」もしています。
これらの練習は、試合を意識して2分区切りで行い、時間としては、全部合わせて1時間ほどです。
試合中はどんなことを考えているのですか?
杉山さん:相手の利き手や、どんなパンチを得意としているのかを瞬時(しゅんじ)に見分ける必要があります。1ラウンドが2分しかないので、相手の分析に1ラウンドを使ってしまうと、残りは4分しかない。距離感(きょりかん)や利(き)き手など相手の特徴(とくちょう)をなるべく早く把握(はあく)するように心がけています。
自分も動きながら、相手の動きを読むイメージです。考えすぎると、相手からパンチを受けてしまうので、瞬時(しゅんじ)の判断が重要になってきます。
体重の管理はどうされているのですか?
杉山さん:試合前の1ヶ月は特に気を使います。もう暇があったら体重計に乗っていますね。ご飯を食べる前後、コップ1杯水を飲む前後、トイレを行く前後、お風呂に行く前後、寝る前.....。常に体重を測って、ノートに書いています。
食事に関しては、試合が近づくと家族の協力を得ながら、自分だけの特別メニューにしています。かなりナーバスになるのですが、計量が終わった後に飲むエナジードリンクを楽しみに頑張っています。
ボクシングの魅力(みりょく)は何だと思いますか?
杉山さん:2つの拳(こぶし)をどう強く当てるのか。相手の動きを見ながら、距離感(きょりかん)を測りながら、フェイント、フットワークの技術を駆使して駆け引きします。打ち方もタイミングも選手によって異なりますので、ここが面白いところだと思いますね。
おそらく観戦するときは、みなさんパンチに一番注目されると思うのですが、そのパンチを相手に当てるために選手は相手とさまざまな駆(か)け引きをしています。相手との距離(きょり)のとり方や、フットワーク、フェイントなども別視点で見てみると面白いですよ。また違(ちが)ったボクシングの楽しみ方ができると思います。
滋賀県で開催される国スポ・障スポへ向けて、メッセージをお願いします。
杉山さん:ボクシングはまだまだ競技人口が少ない競技です。競技のレベルをあげることも大切ですが、そもそも人口を増やさないとライバルが出てこない。
そのために、僕たちが活躍して、ボクシングという競技を広めていくことが大切だと思います。僕が小学生の頃に比べて、県内にもボクシングジムは増えていると聞くので、ボクシングに興味があったら、始めてみてほしいです。